台紙の切り込みに、細く切った色紙を入れていきます。
しののめモンテッソーリ子どもの家では、一年間に「全員が行う活動」がいくつかあります。 モンテッソーリ活動は、一人一人が興味に合わせて自分で活動を選択しますが、全員が行うことにしているものもあります。
しののめモンテッソーリ子どもの家で30年以上、毎年行ってきた活動「織紙」もその一つです。 名前の通り、紙を織って製作します。
年少から年長まで、一人一人が好きな色の紙帯を選び、切込みのある台紙にその紙帯を通して織りながら作品に仕上げています。
色彩は個性豊かで、子ども達の思いが伝わってきます。
●交互に紙帯を織ることが目標の年少さん
●紙帯の本数も増えて色も考えながら根気良く最後まで仕上げることが目標の年中さん
●紙帯も細くなり指先の器用さも求められる年長さん
学年により取り組み方が違います。
年長児にもなると、誰もが第一に考えているのは色選びです。
その色の選び方は、なるほど、と思えるくらい、性格が表れていてデザイン力も見事です。 選ばれた色が一定のパターンで繰り返されたり、グラデーションが美しい作品、シンプルな色合わせに特化させたり… これら美しい作品の数々は、しののめモンテッソーリ子どもの家でしか見られない、と思っています。
実は30年以上続けて来たこの活動の裏には、しののめモンテッソーリ子どもの家ならではの教師のこだわりがあります。
様々な色が映えるためには、台紙は「黒」または「濃紺」。そして、自由に色を選べるように様々な色の濃淡を準備する。
市販の紙帯は色が限られます。また、幅も種類がありません。 子どもの家では、年少は2センチ幅、年中は1.5センチ幅、年長は1センチ幅の紙帯を使用します。
そのため、教師が色画用紙をそれぞれの幅にカットして紙帯を作成します。(正確に幅をそろえてカットするのは少々大変ですが…) 色画用紙の色は豊富に揃えてあるので、様々な色の濃淡を準備することができます。
台紙も学年ごとのサイズ、切込みの幅にあわせて、1枚ずつ定規とカッターを使って作成します。 準備に時間がかかり大変なのですが、これが長年続いている教師のこだわりです。
「子ども達が最大限にその素晴らしい感性を表現できるように準備してあげたい。」それが教師の思いです。
ですから毎年、子ども達の美しい作品を目にした時の感動はひとしおです。
教えられるのではなく自らその感性を育んでいる子どもたち、成長が本当に楽しみです。 年中さん、年少さんも、1年後、2年後にはさらにレベルアップした作品を見せてくれることでしょう。
※モンテッソーリでは子どもの活動を「おしごと」と呼んでいます。イタリア語のLAVOROの直訳です。